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研究連携推進本部とは

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研究連携推進本部とは

大学研究連携推進本部の開設にあたって

2011年4月
研究担当理事

1.まえがき

 慶應義塾大学研究連携推進本部が4月1日付で開設されました(図1参照)。開設に至った経緯や今後の活動の狙いなどを簡単にご紹介いたします。
科学と技術の発達は研究が支え、研究は教育の質の向上に重要な役割を果たしています。研究には科学の研究と技術開発があります。科学の発展を期す研究は大学や研究機関の柱であり、技術開発には大学から企業まで幅広い機関の研究者が従事し時に両組織の連携と学術の融合がその発展の鍵となります。大学は真理を追究し次の文明を切り拓く責任を自覚し、教育とともに研究を担い続けなければなりません。慶應義塾は総合教育研究大学として全学術分野にわたる特徴ある研究活動を半学半教の精神のもとで、三田・日吉・信濃町・矢上・湘南藤沢・芝共立の6つのキャンパスと新川崎・鶴岡の2つのタウンキャンパスで行っています。
言うまでもなく大学は研究と教育を通して知を生産・蓄積し、これをもとに知識情報を社会へ発信する役割を担っています。21世紀を迎え環境やエネルギーなど地球規模の複雑な融合課題が我々の前に大きく立ちはだかり、人類の持続的発展に黄信号を点しています。少子高齢化による社会問題も重大です。アポリアとして次代につけを残さずこれらの課題を解決に導いてゆくためには、それぞれの分野の専門家が質の高い情報を十分な量共有し合い、共通の土台の上で俯瞰し共同して研究することが求められます。従来、それぞれの分野の専門学会がこの役割を担ってきましたが、グローバル化のなか社会が大きく変化するいま、研究力をより一層高める手段として、異分野キャンパス間が、複数の国内外大学研究機関が、あるいは大学と企業などが連携して、この水飲み場にあたる活性化した場(コンソーシアムなど)を組織化してゆくことも必要でしょう。
 

2.大学の研究を取囲む環境

大学における研究活動は多様です。若手研究者が足腰を鍛え、あるいは萌芽分野を立ち上げる段階から、対象を極め醸成し豊富な研究成果を実らせる段階、一連の成果・経験を学術創出や教育に昇華する段階、さらには知財の取得・活用や技術移転の段階まで、それぞれの段階の活動が有機的に混ざり合ったかたちで行われています。
さて、大学とその教員研究者の役割と使命が教育と研究に加えて、その成果の社会還元にあることが教育基本法に謳われたのは2006年のことでした。これに先立ち1998年には大学等技術移転促進法が成立し、我が国大学の研究成果を広く社会に役立てる道が開かれ、必要な組織の設立とコンプライアンスをはじめとする各種体制と規程の整備が各大学で進み現在に至っています。慶應義塾では、今から12年前の1998年に知的資産センターが、1999年に研究推進センターが、また、2003年にインキュベーションセンターが、それぞれ開設され、特許取得や技術移転、研究連携・推進、事業孵化活動などを担う役割を果たしてきました(図2参照)。2003年には各センターを包含するかたちで総合研究推進機構が設立されています。従来から教員に対する研究支援の組織として研究支援センターが、三田に本部を各キャンパスに地区センターを置くかたちで業務を行っています。このセンターは科学研究費補助金(科研費)説明会など教員へ向けた外部研究資金獲得のための広報活動をはじめ、その申請手続、採択・受託後の資金管理、最終成果報告までの一連の過程を事務的に支援する基盤組織です。
 

3.更なる発展へ向けて

このような状況の下で、大学の研究マネージメント力を向上させ、研究連携・推進・支援機能を一層強化する時期が到来しています。4月1日付で開設した研究連携推進本部は、慶應義塾が総合大学として持てる研究力を十分に発揮するために「研究の入り口から出口まで」を支え、多様な研究の塾内・塾外連携をスムーズに支援することを目指しています(図1参照)。その要として研究連携推進本部には「企画戦略」、「研究推進」、「知的資産」の3部門を置き、この3部門が壁のない有機的な連携を行うことで相乗効果を生むことを狙っています。「企画戦略部門」ではその活動を本部としての調整・かじ取りから始め、機動性の高い情報収集で貢献したいと考えています。「研究推進部門」と「知的資産部門」では産学官との間の研究の推進活動、知財・事業孵化活動やコンプライアンスをそれぞれの核にして、両部門が連携して慶應義塾の研究者の研究成果や特許等の権利を産業界などに展開したかたちでの共同(受託)研究を支援することも重要でしょう。「企画戦略部門」と「研究推進部門」が各キャンパス研究支援センターと協調して行う分野横断型の外部研究資金の獲得を実行に移す仕組みづくりなども視野に入るでしょう。また、「知的資産部門」と「企画戦略部門」が連携し利益相反課題に対応し、研究成果の評価などを通して次の研究資金への道を広げてゆく役割もあります。
以上、3部門が担当する業務を簡単に表しますと、「企画戦略部門」は研究活動の連携、推進、および支援に関する企画と点検・評価を、「研究推進部門」は研究活動における連携の推進とその支援、「知的資産部門」は知的財産権の創出と活用の支援・保護・維持・管理、および事業化活動の支援ということになります。
ほぼ月1回開催する運営委員会を通して研究連携推進本部と各キャンパス・学部・研究科との間の意思疎通を深め、問題意識を共有して行くことも今回の組織改編の重要なポイントであると考えています。これまで旧総合研究推進機構は組織上、法人部門に位置付けられていましたが、今回の改編では研究連携推進本部を大学部門に置くことで大学各学部や大学院各研究科が同じ目線の上で研究における文化をさらに発展させ、これを共有してゆくことを期待しています。なお、分野横断的な研究を柔軟かつ機動的に遂行できる仕組みとして、先導研究センターを今後も維持しながら、人事をはじめとするその運営については研究連携推進本部が責任をもつ形に変更し、より透明性を高めることとしました。また、旧総合研究推進機構の中に置かれていた研究倫理委員会と知的財産権調停委員会については、委員会の中立性確保の点から塾長直下の組織へとその位置づけを変更しています。
さて、人文・社会科学や自然科学の分野の中には長期的視野の下でじっくり研究することで独創的な成果がもたらされ、学術の画期的な発展が得られる分野もあります。一方で、短期間に大きな資金を投入しその目標に向け一気に研究を行うことで飛躍的な成果がもたらされる理工学や医療などの分野もあります。研究連携推進本部は中長期的な視野に立って慶應義塾大学における両分野の研究が片寄ることなく発展し、その発展がさらに新しい研究につながる好循環を生み、全体としてその成果がこれまで以上に教育へまた社会へ貢献してゆくことを強く期待しています。 
慶應義塾には、大学10学部と大学院14研究科に約1600名の専任教員が所属し教育と研究と医療に従事しています(図3参照)。大学院の修士課程と博士課程には、それぞれおよそ2800名と1200名の学生が在籍し指導教員などと自らの研究を行っています。これに加えて、外部研究資金による研究プロジェクトをもっぱら担う研究者が特任教員(4月1日付で名称変更・規程改正)や研究員として多数研究に参加しています。この時期、科学技術創造立国を牽引し新しい文明を切り拓く気概をもって研究活動に携わっている教員、研究者、大学院生、各位それぞれが、今回開設しました大学研究連携推進本部の組織と機能を理解し利用され、更なる研究の発展に結び付けられんことを期待しています。

2014年4月より、各キャンパス研究支援センターは学術研究支援部門に組織改編しました。
 
図1:4/1に開設した大学研究連携推進本部

図1:4/1に開設した大学研究連携推進本部

図2:最近の特許出願件数

図2:最近の特許出願件数

図3:教員研究者や研究員の推移

図3:教員研究者や研究員の推移

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